北海道ツーリング 1995年8月

ツーリングレポート

初めての北海道ツーリングのレポートです。
最初で最後と思って、めっちゃ欲張りな予定を詰め込んでしまったものの、お天気にはめぐまれないツーリングでした。
あのときは、まさかこんなに北海道に通うことになるとは思わなかったなぁ。

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8月1日(水)

深夜の出航だと言うのに、待ちきれずに夕方5:00に自宅を出発する。
ツーリングコースへの舞鶴へは、高速を利用するのは始めてで、もったいないとも思ったが、慣れない大きな荷物に、この暑さ、ふらふらと下を走って、何かあってはもともこのないと、あえて高速を選んだのである。
舞鶴港には7:00に到着し、11:30出航だというのにこんなに早く来ている馬鹿野郎はいないだろうと思っていたが、嬉しがり屋はいるのもので、既に10数台のバイクが整列している。
9:00からの乗船で、3台目だった私は、二等寝台に荷物を置き、一番乗りで浴室へと駆け込む。案の定、上がる頃にはぞろぞろと混み始めた様子。
退屈な28時間の船旅のスタートだ。

本日の走行 144km

8月3日(木)

ライラック号は予定通り、5:00に小樽港に入港した。

未熟者の私はまず、バイクを方向転換してから荷物をくくりつける。
何故なら、甲板でよくバイクがこけてると言う話なので・・・と、思っていたら案の定1台こけていた!

仕事を辞めて1ヶ月前に北海道入りした友人とここで合流。
今夜の宿は旭川で、時間的に余裕があるので、海沿いのR231からR451へ抜けて北竜町のひまわり畑を回る予定である。
しかしこれが裏目に出てしまい、浜益村から峠道に入ったとたん、路面は水浸し。それでもココだけの通り雨だろうとカッパを着るタイミングを逃してしまい、確かに滝川に入った頃には雨は止んだが、全身ずぶ濡れ。

さすがに広い北海道。

見上げれば、東西南北に空の色が違う。このぶんだと、北竜町も怪しい、ということで、予定を変更してR38から富良野に入ることにした。
今日と明日の2日間で美瑛から富良野を周る予定なので、少しでも予定をこなせればと思ったのだが、やはり突然に雨が降ったり、晴れ間がのぞいたり、精神的によくないので(何を隠そう私は愛車を濡らすのが死ぬほど嫌なのだ!)ひとまず、宿に荷物を降ろして、それから考えようということになった。
旭川についた頃にはかんかん照りの容器で、駐車場から6階にあるホテルのフロントまで、何度も荷物を運ぶうちに汗だくになってしまい、すべての英気がなくなってしまった。
と、いう訳で、夜の町で人間に給油して(?)充分に明日への英気を養うこととした。

本日の走行 270km

8月4日(金)

北の国から 石の家AM8:0 0。

再び駐車場まで何度も荷物を運び、中富良野の森林公園キャンプ場へ向かう。

テントを撤収して出発の準備を始めているキャンパーの多い中、程よいポジションにテントを張り、身軽になってやっとツーリングらしくなる。
まずはコイン洗車場で、昨日の雨でどろどろになったゼファーを洗車してやる。うん、これで写真写りがよくなったぞ!

ラベンダーに時期には、少し遅かったようで、ラベンダーのかわりに「紫サルビア」をバックに何枚か写真を撮る。
富良野といえば、「北の国から」ということで、観光客に混じって「五郎の家」や「北時計」を見物する。
現在も撮影で使用 されている「石の家」へは、観光バスもやってこないようで人もまばらだったが、直線から突然のダートが現れて少しびびってしまった!
思わず、停車して、深呼吸して侵入したものである。
・・・こんなふうに北海道は突然、ハードなダートが現れ、その度私は一瞬躊躇して、深呼吸するのであった。
チーズ工場、ワイン工場での滞在時間は、試食、試飲に費やした数分のみであった。

セブンスターの丘さて、憧れの美瑛は、確かにCMにでてくる北海道らしい素敵な風景。でも「ケンとメリーの木」などの撮影ポイントは記念写真撮影の順番待ちで、思うようなアングルでの撮影は断念せざるをえなかった。
セブンスターの丘もこのころは、駐車場もなくて、遠目に見るだけだったよなぁ。

そして、すばらしいはずの夕焼けも雲が多く、見ることができなかった。

本日の走行 240km

8月5日(土)

黄色のテントのせいか、寒さのせいか5:30に目が覚める。

暇なのでご飯を炊いて うだうだと朝食を済ませて結局8:30に出発。
とにかく荷物が多いので、荷造りにかなり時間をとられてしまう。
思えばこれが最初で最後の自炊であった。
強行軍のため、自炊する時間が思うほうに取れず外食ですますことが多くなる。
今日は然別湖からナイタイ高原を通って、道東へ向かう予定であるが、どうしても日勝峠を通りたくて遠回りする。

・・・まだバイクに乗っていなかった頃、観光バスでここへやってきたとき、2台のバイクが停まり、夏だというのに革ジャンを着たラ イダーがメットを脱ぐと、それはロマンスグレーの紳士だった。それがとってもかっこよかったのである。

オンネトー 道東に向かうにつれ、雲が多くなる。
思ったより遅くなってしまい、時間が悪かったのか、雲のせいか、オンネトーは初めて見た私にはただの小さな湖でしかなかった。数年後、晴れた日に訪れたときに初めて「色の変わる湖」というオンネトーの神秘を肌で感じることとなった。

今日キャンプする予定の多和平には風呂がないので、途中の摩周温泉で公衆浴場に入る。
多和平に着いた頃がちょうど夕焼け時であったが、やはり雲が多く、夕焼けを見ることは出来なかった。晴れた夜には天の川が見えるということでそれを楽しみにしていたのに、もちろんそれも無理。
昨日の夕食は昼兼用でラーメンだったので、今夜はテラスハウスでバーベキューを奮発する。

本日の走行 420km

 

 

8月6日(日)

野付半島そろそろ、日付と曜日が定かでなくなってきた。
ずっとテレビも新聞も見ていないことに少々不安を覚える。
今日も雲の多い空模様である。
早朝の山道は革ジャンを着ていても寒い。

弟子屈から釧標国道を野付半島に向かう。
時間が早すぎたせいか、遊歩道は閉鎖されており、入れなくはなかったが、歩くことのあまり好きではない不健康な私達はあえて進もうとはしなかった。
ナラワラで適当にお茶を濁してこんなもんかと納得する。

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知床半島の太平洋側のR440を進む。

羅臼から知床半島横断道路に入るが、だんだんとガスがでてきて、再び天気の心配をするが、これが展望台を杉、ウトロ側に下り始めたとたん、先ほどのガスが嘘のような青空が広がり、はっきりと羅臼岳が見える。
と、同じに次から次へと山道を登ってくるチャリダーの嵐のようなピースサインの洗礼を受け、感無量になる。北海道を身体中で感じた一瞬である。

ようやくカムイワッカの滝に到着。
500円でわらじを借り、滝を登っていく。これは滑らず快適。
でもレンタルで500円はぼったくり!水着を着ていてもちろん温泉を堪能するつもりであったが、この頃の雨の多い天気のせいかあまりきれいではなく、酸が強く身体によくないといわれ、また登りつかれて却下。

斜里を過ぎると延々と信号のない道が続く。
摩周湖は第3展望台より、裏摩周展望台の方が観光地化されていなくていいと聞いていたのでそちらに向かうことにする。途中、摩周湖の水が涌き出ているという神の子池に立ち寄るが、これがまたダート道で根性を決めて突入!
とても不思議な光景であった。神秘的というのはこのことだろうか。その後出来あがった写真に、人の顔が見えるような気がするのは気のせいだろうか。
今夜の多和平も雲に覆われていた。

本日の走行 340km

8月7日(月)

網走博物館今日は強行軍になる。

AM6:30、早朝の暖気も気が引ける。

美幌峠を抜けて、小清水原生 花園、網走は網走博物館、あとはひたすらオホーツクラインを北へと向かう。網走は網走博物館の見学は楽しかった。

いったいいつになったら止れるんだろう?

網走刑務所の歌相変わらず信号のない道を時に爆走しながら快走する。
どのくらい走ったらだろうか?
直線を90km程度で飛ばしていたら、いきなり右全方に赤いパトライト発見!思わず減速し、反対車線だから大丈夫と自分に言い聞かせるが、しっかり制服姿のの警官に停止を命じられ、パーキングへと招かれる。

オーマイゴット!

同じように停止させられたバイクが海をバックに「交通安全」の黄色い旗を持たされ記念撮影。???

「最近は見せしめの為にこんなことするのか」

「はい、では写真を送りますのであちらで住所氏名を記名して、ジュースでも飲んで休んで行ってください」???

なんか、交通安全キャンペーンらしかった。
ちなみにここは雄武(おうむ)町ということであった。イメージアップキャンペーンなのかな?でも心臓に悪い。

PM4:00、ようやく最北の地、宗谷岬に到着。

ここでも写真撮影は順番待ち。
慌しくてアングルなんていってられない。

ノサップ岬も同じくであった。

右手に利尻富士を見ながら道道106号線をサロベツ原野に向かう。

行き交う車もほとんどなく、北海道らしい風景である。
今日は夕陽の中に利尻富士が浮き上がってすばらしい眺めであったが、予約の宿への到着時間が押していて、写真は明日にしよう、なんて思っていたら翌日は朝から雨であった。

明日の城サロベツ原野の真っ只中にあるとほ宿「明日の城(ジョー)」へ到着したのは出発から12時間後であった。宿は、というと、まるでペンションのように素敵なウッディハウスで、食事は、というとジンギスカン食べ放題と、料金は、というと、男女別相部屋が4600円、個室が5600円とリーズナブルで満足、満足。

本日の走行 560km

8月8日(火)

昨夜から雨が降り出した。

ようやく9:00頃には止んでくれたが怪しげな空の色。
利尻富士の写真はあきらめ、同宿のライダー達と記念撮影をして、とにかく南に向かうことにしたのだが、案の定1時間もしないうちに激しく降り出した。

北竜町に着く頃には小降りになり、初日に行きそびれたひまわり畑を見学する。
さて、これからどうしよう?カッパは手放せそうにない。
あちこちロッジを探してみるが空きがない。最終日の明日が晴れるという保証もなく、最悪の場合を考えて小樽に宿をとることにした。
小さな旅の博物館「小さな旅の博物館」は昔旅人件ヘルパーだったオーナーが私設ユースを目指して運営している個性的な宿。
賑やかな宿で、疲れていた私は先に休んだが、夕食後に酒盛りが始まり、毎日あるというこの宴会はその後ギターを持ち出して、飲めや歌えやと延々深夜2:00頃まで続いたらしい。楽しい宿だが、久々に布団でぐっすり眠りたいという人には少々酷かも・・・。

でも、消灯時間なし、朝食も何時でも(スタッフがいなければ勝手に冷蔵庫を空けて「朝食らしきもの」を食べてくれとのこと)といういい加減さもたまにはいいかも。

本日の走行 300km

8月9日(水)

覚悟はしていたが、最終日だというのに止みそうにない雨である。

明日の朝10:00のフェリーで北海道を離れる私に残された24時間が「雨」だとは・・・。

行く宛てもないのでフェリーターミナルでのんびりとビールを飲みながら食事をし、眠くなったのでロビーの椅子で昼寝して、展望台の展望温泉&サウナで過ごし、ようやく午後3:00にホテルへチェックインをすますと、傘を片手に小樽の町を観光客の中へと紛れ込んだのであった。

本日の走行 20km

期  間1994年

8月1日~11日

日(道内7泊)

使用車両KAWASAKI ZEPHYR750
走行距離2,443km(道内2,155km)
費  用ガソリン代17,800 円
アクセス代33,410 円
宿泊代35,300 円
その他26,8228円
合計113,332円

 

 

後記

今では考えられないようなあわただしい旅でした(笑)
でも、これが普通なんですよね。
雨なんて全く想定してなかった。
そして、キャンプはあくまでも宿泊手段で、キャンプを楽しむ余裕もまだありませんでした。

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